- 公開:1986年
- 監督:ロブ・ライナー
- 出演:ウィル・ウィートン/リヴァー・フェニックス/コリー・フェルドマン/ジェリー・オコンネル/キーファー・サザーランド
- 舞台は1950年代末のアメリカ、第二次世界大戦も終了し、いわゆる”50’s(フィフティーズ)”1)戦争も終わり、一部では”アイゼンハワーの昼寝”と呼ばれている、今日私たちが慣れ親しんでいるアメリカンカルチャー全盛期ともいわれる時代。一般的にフィフティーズというと、1955~1965年前後のことを指す。といわれる時代のお話。
- 当時のブルーカラー的な少年たちの田舎でのひと夏の冒険をシリアスかつ子供目線ながらのウィットに富んだ演出で描き出した傑作。
- スティーブンキング短編集、「恐怖の四季」に収められた一遍”THE BODY(死体)”が原作とされている。
さて、今回は音楽と飲み物編です!
と言っても実はこのStand by me、ご存知の方も多いと思いますが、
全編を通して、1950年代のいわゆるオールディーズ音楽が使用されています。
contents
木の上の秘密基地に愛称抜群”Rockin Robbin”
冒頭の主人公たちの木の上の秘密基地のシーンでラジオから流れてくる音楽が、ボビー・デイの”Rockin Robbin(ロッキンロビン)”というのが秀逸ですね。
原曲のジャケット写真が木の上で小鳥に囲まれながら歌うボビー・デイという構図からも、
作中の主人公たちの”木の上の秘密基地”との相関性が感じられ素敵です。
誰もが聴いたことがある、アメリカンポップの王道
また、作中でフィーチャーされている曲として非常に印象的なのは、
the CHORDETTES”LOLLIPOP”
THE CHORDETTES”18 GREATEST HITS”
こちらも素敵な曲です。
胸が躍るような陽気なリズムとメロディが心地よいですね。
こうした雰囲気の古き良きアメリカ音楽が気になる方にオススメなのは、
表紙の男性は絶対James Deen(ジェームス・ディーン)ですよこれ。
アメリカンオールディーズの楽曲がたくさん詰まっており、これを流しているだけで、当時のアメリカにタイムスリップしたような感覚が楽しめること請け合いです。
世界第3位のコーラ、知ってますか? ”ローヤルクラウンコーラ”
さて、日本で最も大きい湖と言えば、琵琶湖ですが、2番目・3番目というとなかなかすぐには思いつかない方も多いのではないでしょうか。
何事も1番のものというのは、割と知れ渡っていますが、それ以下のものというのは、クオリティや実績が備わっていたとしてもなかなか知名度を上げることは難しいと思います。
ここで取り上げたいのは、世界1位のコカ・コーラ、2位のペプシ・コーラに次ぐ第3位のコーラ、
Royal Crown Cola(ローヤルクラウンコーラ)
作中において、ゴーディが立ち寄った食料品店では「ロイヤルクラウンコーラ」のタペストリーが飾ってあります。
なかなかマニアックなシーンなので、見つけたときは自分の目ざとさにちょっと引いてしまいましたが。
ちなみに上記の画像において車に乗った少年たちが運転しながら飲んでいるボトルは、なんの銘柄か明確にはわかりませんが、ちらっと映っている大きな”R”のロゴが少しローヤルクラウンコーラに見えないこともないです。ボトルデザインから考えるに、ビールの可能性も高いですけど、ちょっとこの辺は勉強不足で正確にお伝えできないのが残念でです。
1903年ジョージア州コロンバスにあったコロンバス=ハンプトン=ハチャーが手掛ける食料雑貨店がローヤルクラウンコーラの発祥です。
簡単な沿革としては、
- ローヤルクラウンジンジャーエールを開発し、清涼飲料水事業に参入。
- 1954年には世界初の缶飲料を発売。
- その後キャドバレーシュウェップスに買収後、CBの子会社のドクターペッパー・セブンアップに買収されて今に至る。
- 世界初の缶飲料、世界初の16オンスボトル、世界初のカフェインフリーコーラなど時代を先取りした、インダストアル・ファースツ2)「世界初」の商品を数多く輩出したブランドでもある。
- 1961年に発売したダイエット・ライト・コーラ(Diet Rite Cola)は、世界初のダイエットコーラとしてばかりでなく、世界初のおいしいダイエット飲料として売り出され発売後1年半で消費量全米第4位にランクインするほどの好成績を残し、同業他社がダイエットコーラに進出する切っ掛けとなった。
作中の時代背景となっている1950年代には、上記の通りおそらく缶飲料が発売されていたとは思いますが、そこはこだわり抜いて作られた映画。
田舎町にまだ最新の商品が届いておらず、ビン詰め時代のタペストリーがフィーチャーされているあたりが、細かな作りこみとして感じられます。
日本でも現在ではなかなか目にすることはできなくなりましたが、一度飲んでみたいところですね。
ちなみに、1968年には、ジャズシンガーとしても世界的にレジェンドと化しているFrank Sinatra(フランク・シナトラ)の最初の妻との長女であるNancy Sinatra(ナンシー・シナトラ)が歌うテレビコマーシャルも制作されています。
当時の時代背景に即した、愉快でポップだけどどこか不穏な作り、作中でも”MAD(狂気)”というワードがチョイスされているのも、なんか尖っていて好きです。
音楽や、酒を含めた飲み物類は、あまり世の中的に浸透していなかったりしても、掘り下げてみると意外と良いものも多いです。
作り手の想いや実績を紐解くだけでも、時代感が感じられたり、どういう価値観を持った企業やクリエイターだったのかなどが感じられて非常に興味深いです。
さて、Stand by meについての記事だけでだいぶ長いこと時間をかけてしまいましたが、次回からはちょっと趣向を変えて、
戦争映画について1つ触れたいと思います。
当時のミリタリーウェア、いわゆるフィールドジャケットや戦地での酒の消費、また兵士としてアメリカ軍に加わった先住民族のファッションなどについて、ご紹介する予定です。
お楽しみに。
ではまた。
References
1. | ↑ | 戦争も終わり、一部では”アイゼンハワーの昼寝”と呼ばれている、今日私たちが慣れ親しんでいるアメリカンカルチャー全盛期ともいわれる時代。一般的にフィフティーズというと、1955~1965年前後のことを指す。 |
2. | ↑ | 「世界初」の商品 |